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Elton Johnの舞台芸術のデジタル化: Beings Digital社とライカ ジオシステムズのケーススタディ

作成 christopher.dollard

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07/12/2019

10年にも及ぶイベントや体験型マーケティングに携わる中で、会場計画や技術的な図面の間違いに遭遇する経験も多かったDave Johnstone(デイヴ・ジョンストン)は、もっと簡単な方法があるはずだと考えていました。Leica BLK360イメージングレーザースキャナーと出会ってすぐに、Johnstoneは正確なデジタルリアリティキャプチャが、彼の業界にとって大きな変化をもたらす可能性があると確信したのです。彼は早速デバイスを購入し、その機能を活用する会社Beings Digitalを設立しました。    

体験型イベントは企業にとって非常に価値のあるものです。珍しいデザインの建物や、建築業界で革新的でユニークなスペースでイベントが開催されることもあり、感性を刺激することで来場者を魅了し、注目を集め、ブランドの知名度を高めることにつながります。Elton Johnの「Farewell Yellow Brick Road Tour」のイベントの大成功裏には、Beings Digital社によるステージデザインのデジタル化が大きく関わっています。ステージの中央アーチ用に作成されたデザインのデジタル化には、クリエイティブチームと建設チームによるコンセプト構築、臨場感あふれる体験を実現するためのテクノロジー、信頼性のあるデータ、そして正確な現場計画が欠かせません。しかし、技術的な正確さを提供するこは困難を伴うこともあります。      

不正確な情報がもたらす影響

プロジェクトは現地調査から始まります。そこでは、技術チームが現場の寸法、元の建築家の図面、および写真を使用して、空間の平面図と3Dの技術図面を作成します。ただし、これらの計画を正確に策定することは困難なケースがよくあります。完成時の空間は建築家の元の図とは異なることが多く、写真からわかる情報は限られています。チームが現地調査にかける時間は限られており、ここでは人為ミスも重要な役割を果たします。計画、設計そして創造的な概念は、不正確または不完全な情報に基づいてしまっている事がしばしばあります。ごくわずかな不正確さでも、重大な損失が発生する可能性があります。たとえ手当が組み込まれていたとしても、プロジェクトが始まるわずか数日前、建造されたパーツや機器が現場に到着したときに修正が必要になることがしばしばあります。 これは、追加費用、現場での修正または再構築、余計に必要となるマンパワーと多くのストレスを生み出します。            

ワンボタンだけで得られるBLK360の正確さ

Dave Johnstoneは、これらの課題に充分すぎるほど精通していましたが、Leica BLK360イメージングレーザースキャナーを購入したことで、彼の会社であるBeings Digitalは、プロセス全体を合理化し、より良いデータセットとより正確な計画を得、時間と予算の両面でコストを削減することができました。Johnstone氏によると、    

「BLK360を使用して、業界でかつてないレベルの品質を達成できます。現場で構築するのではなく、工場で正確な寸法に基づいて構築することができ、これにより品質が劇的に向上するのです。」  

多くの受賞歴のあるレーザースキャナーとiPadソフトウェア、Autodesk ReCapProを使用して、Johnstone氏は正確な360度スキャンを実施し、位置情報、進捗、3Dモデル、写真のビジュアル、そして没入型のバーチャルリアリティの作成が可能です。BLK360を現場を持っていき、三脚に取り付け、ボタンを押すだけで、数分で数百万ものポイントデータからなる詳細な3D点群データが作成されます。カラーのスキャンと写真を組み合わせることで、正確な高度やその他のジオメトリなど、あらゆるものを非常に高い精度で仮想的にマッピングできます。その後、データは設計チーム、クリエイティブチームと共有するため、経験的な概念をよりシンプルに開発し、イベントまでの十分な期間で正確な測定から必要な製品を完成、納品することができます。      

成果物の提供

Johnstone氏の手がけるの最近のプロジェクトの1つはElton John(エルトン・ジョン)の「Farewell Yellow Brick Road Tour」で、2018年9月に始まり、今後3年間にわたって世界中で何百ものライブパフォーマンスが行われます。2018年後半、Johnstone氏はテキサス州ダラスを訪れ、ステージの中央アーチ用に作成されたデザインをキャプチャし、デジタル化しました。彼の4枚目のアルバム「Madman Across the Water」のリリースから、数多くのミュージカルシアターへの貢献、そして「Elton John AIDS Foundation」の立ち上げまでのキャリア描いた合計25枚のパネルデザインで構成されています。  

プロジェクトのツールの1つとしてBLK360を使用することで、Beings Digitalの目標は独自のアートワークの仮想モデルを作成し、それをCGIでデジタル的に再現し、より大小さまざまな会場に適合させることでした。3Dレーザースキャニング技術を使用することで、ファンは会場の大きさの制約なしに、これからの全てのショーで同じクリエイティブな体験を楽しむことが出来ます。  

幅約25m、高さ10mのユニークなアーチを捉えるために、高さ2〜3mの個々のパネルをいくつかの円形に配置し、BLK360でスキャンして全体的な形状を定義しました。ひと月をかけてデータを処理しCGI資産を納品する前に、必要なすべてのスキャン作業を一日で完了することが出来たのです。  

ポルトガルのRitz-Carlton Hotel Resortで行われた別のプロジェクトでは、プロジェクトチームがより効果的に仕事ができるよう、空間を3Dモデル化しました。古い建物では、不規則なレイアウト、柱やアーチの間のスペースの違い、天井の高さの違いなど多くの課題が出てきます。BLK360は、対象の空間とその周囲の全ての測定データを正確に取り込めることで、この課題を克服できるのです。建物の矛盾を回避することで、空間のインテリアデザイン(バー、家具、ステージ、様々なテクノロジー)を正確に策定することが出来ました。      


Ritz Carlton Hotel Resort in Portugal

ポルトガルのRitz-Carlton Hotel Resortの3Dモデル


業界にもたらした変革

顧客が正確な技術計画にアクセスできるようになり、Beings Digitalの働き方は根本から変わりました。同時に、彼らのストレスレベルと土壇場の緊張が圧倒的に減ったことは言うまでもありません。BLK360によるデータの信頼性は、経験値の高いプロジェクトですらイベントの数日前に起こる「神頼み的な」要素を完全に取り除きます。 チームは、土壇場での修正、思わぬトラブル、現場での再構築を懸念することなく、自信をもって、機器や複雑な建造物が想像どおりに空間にフィットするという認識を持つことが出来ます。      

Beings Digitalは今後、ビジネスの幅が広がる可能性を認識しています。BLK360は非常に多くの関連産業に適用可能であり、3Dスキャニングには、映像業界、インテリア、ゲーム、ビジュアルデザイン、遺産の保存管理、そしてビジネスプロセスや商品の品質向上をもたらす力があります。Johnstone氏は、その恩恵を活用し建築家と共に働く新しい機会を模索しています。  

Johnstone氏が考える、仕事の本質とは

自分の仕事に関して、やり方を改善するのではなく、BLK360はそのやり方を、可能にしてくれました。これは大変革であり、我々の産業におけるいくつかの大きな課題をすでに解決し、そして新しい産業に拡大することを可能にしたのです。計画プロセスを合理化し改善することはどこでも価値があります。これらのタイプの経験を積むことは最後の最後まで必要とされるものだからです。 全ての機器を設置するまでには、多くの場合不確実性があります。全てが正確であるということがわかっていれば、コスト、効率、およびストレスが軽減されます