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BLK360 ハリウッド進出: Allan McKay氏によるVFXワークフロー

作成 Christopher Dollard

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01/13/2020

Allan McKay原始の大地をゆっくりと歩く恐竜。悪役が塵と消え、エンパイアステートビルとホワイトハウスの現像が、スクリーンの中ではVFX技術によって破壊される様子は、映画における魔法のようなものです。しかし、その舞台裏では製作費がかさんでいます。VFX業界では、LiDAR、レーザースキャン、リアリティキャプチャ技術を取り入れることで生産を合理化、よりリアリティの高い体験を創造し、時間や費用を削減しているのです。             

ライカ ジオシステムズは、VFXスーパーバイザーであり、FXテクニカルディレクターのAllan McKay氏にインタビューしました。ロサンゼルスを拠点とする彼の映画製作会社は、アベンジャーズ、エンドゲーム、フライト、スター・トレック イントゥ・ダークネスゲーム分野ではDestiny、Call of DutyそしてThe Divisionなどの製作を手掛けています。Allan氏はまた、アカデミー賞ならびにエミー賞候補となったRobert Zemeckis氏や、M. Night Shayamalan氏とも親密なビジネスパートナーです。彼らはSIGGRAPHやAutodesk Universityで話題となり、Industrial Light and MagicやUbisoft、Activisionでの講演歴もあります。McKay氏はBLK360ユーザーであることから、彼がBLK360を職場でどのように使っているか取材を申し込みました   


メディア、エンターテイメントにおけるVFXの役割

VFXは、メディアやエンターテイメントと並んで、LiDARやレーザースキャンテクノロジーにとっては新しい分野です。LiDARデータ以前は、VFXの作業フローは長年のカンに頼るところがありました。McKay氏は、「典型的な作業プロセスといえば、セットで撮影されたものをデータとして取り込み、3Dでシームレスな仮想レクリエーションを作成することです。難しいことは、チームがカメラの動き全体とセット全体を再作成し、全てを不自然なくフィットさせる必要があることです。」と説明しています。      

例えば、カメラ撮影したデータにVFXを追加していく場合、1ショット全体の正確なカメラの動きに従わなければなりません。そうしないと、シーンが正しく表示されません。この問題に対処するために、多くのVFXの専門家たちは多くの測定を行うことを余儀なくされます。しばしば起きていることは、推測により、動きを再構成することですが、それは、100%正確でないことも分かっています。その問題を根底から変えたのがBLK360です。        

ロケ地の調査からカメラの動きまで、BLK360の正確なLiDARとビジュアルデータによって、VFXチームは素晴らしい仕事を成し遂げることが出来ました。BLK360を使用する前は、プロダクションチームは、限られた予算の中で、ロケ地のスキャンを測量会社に委託し、CFXの基礎となるデータセットを作成していました。この作業は非常に費用がかかり、スタッフの増員や多くの時間を要し、VFXチームは、データを使いたい時には、いつも誰かに依存した仕事となっていたのです。      

VFXのワークフローに革命を起こすBLK360

BLK360はVFXのワークフローから勘に頼る作業を取り除き、正確さとスピードを確実なものとしています。McKay氏は、BLK360を使用した典型的なVFXワークフローの例を紹介してくれました。  

「実世界の環境を移動する恐竜を製作する必要が生じたとしましょう。カメラの位置や動きなど、現実世界の環境に合わせて全てをデジタルで調整する必要があります。」  

これで、実世界の環境を簡単に調べられ、そのデータを使用して、VFX恐竜や、他に造ったものを何でも、正確に挿入することが出来ます。BLK360によって、コンピュータの中の現実世界にアクセス出来るようになりました。そこからはデータを使った緻密な作業が全てですが、その日その瞬間の環境をキャプチャしておいて、それら全てを保存しておくことが可能なのです。    

BLK360などのLiDARスキャナーにおける最も重要な機能の1つは、セットまたは空間情報をキャプチャ出来るだけでなく、HDR画像などの正確な視覚データもキャプチャ出来ることです。

「撮影当日にキャプチャした全ての情報、ショットの瞬間のデータも含めておくと、制作がスピードアップします。キャプチャするのはセットだけでなく、照明と画像もキャプチャします。これにより、VFXをショット内の照明条件や位置に合わせることが出来ます。誰もがこの技術を利用しやすくなることで、適切な費用、正確性、機動性が得られるのです。」    

McKay氏のようなVFXの専門家たちは、空間をスキャンするために調査業者を雇う必要がなくなりました。BLK360は、シンプルな操作性で、誰でもスキャンすることが可能です。また、現場での撮影からスタジオまで、どこにでも持ち運べるほどポータブルなデザインです。これにより、他のデータに依存することなく、より強力で高速なワークフローが作成されます。また、McKay氏は 「長編映画で、特に最初のデータが続編、VRライド、または映画に基づいた他の仮想体験に再利用される場合、このワークフローは大変役に立ちます」と述べています。      

1回のスキャンでデータが得られ、カメラの追跡が高速化され、仮想環境のすべての資産を構築できます。カンや推測に頼って再作成するのではなく、追加で必要になった部分をすべて正確に取り込まれた仮想環境があるのです。」  

再利用可能なVFX資産を生成

ロサンゼルスのサンタモニカ桟橋が破壊されるVFXショットを盛り込んだ映画作品を紹介してくれました。McKay氏は、この映画におけるBLK360の役柄について次のように述べています。BLK360を用いてMcKay氏は自ら、朝の数時間で桟橋全体をスキャンし、現地の複雑なデータを取得しました。オフィスに戻ってVFXでそれを構築し、現実世界のように桟橋を確実に分解することが出来ます。    

サンタモニカ桟橋のLiDARデータ

「スポットを目視したり、写真だけを使用してセットを構築した場合、完成品はそれほど正確ではありません。BLK360を使ってその場所をキャプチャしただけで、同業のスタジオは桟橋の3Dモデルを購入したいと考えるはずです。BLK360を使えば、モデルが拡張可能であり、正確であることは誰もが確信しているため、本番環境で再利用できる資産なのです。」とMcKay氏は述べています。「複数のプロダクションで使用できるエンパイアステートビルディングやホワイトハウスなど、映画で頻繁に使用される場所や建物に対して、他の人が作業したとしても、LiDARスキャンで同様のアプローチを踏むことがお分かりいただけるでしょう。」      

BLK360によって、VFX製作者の単独作業が実現、教育にも波及

Mckay氏は、いままで培った知識と経験を、VFXの無料講座やチュートリアルをアップロードして、コミュニティー内で共有し、高度なVFXを作成することの学習に役立てています。1つの学習モジュールの中には、彼の作品であるAvengers: Endgameがあります。「大量破壊(デシメーション)」として知られる、悪役のThanosが灰となり消えていくフィルムを作成しました。    

オレゴン州ポートランド周辺環境を撮影をから、プロセス全体を文書化する方法について解説してくれました。「Black Magic Pocket Cinema 4Kカメラを使って、フィルムカメラで高ダイナミックレンジ画像を撮影し、そして、BLK360でスキャンしました。撮影と制作はすべて自分で行い、24時間以内に完成させました。通常、それを行うには、チームで行う必要があり、多くの機器が必要となる仕事です。」      

この事例によって、照明関連用途での、LiDAR、写真測量、HDRIの認知度を高め、VFX業界で如何に使用されるかを説明しています。「必要なもの全てが1つのバックパックに入る道具で、あらゆる事が出来る自分に感動しています。」とMcKay氏は述べています。  

BLK360はメディアおよびエンターテインメント業界で注目を集めています。Industrial Light and Magic社のFrancois Chardavoine氏は、HxGN LiveにてBLK360を絶賛し、チームのツールキットの重要な役割を担っていると述べました。McKay氏の仕事は、(測量の専門家でない)メディアやエンターテイメント業界の人々でもBLK360は驚くほど簡単に扱え、優れた作品をより速く、正確に、手頃な価格で作成する上で、取得したデータが非常に重要な役割を果たしているかという点を特に強調しています。McKay氏のようなVFX専門家が、BLK360を手に生み出す次のVFXのステージは、我々にどんな世界を見せてくれるのか、とても楽しみになります。    

VFX製作者の方で、McKay氏からより詳細な情報や無料コースの参加は、こちらです。

 


この記事は、BLK360 G1について書かれたものです。新世代BLK360とG1との違いについては、BLK360プロダクト・マネージャーGian-Phillipe Patriのインタビューを参照ください。