レーザー墨出し器に関するいくつかの重要な情報をまとめました。今、製品をリサーチされている段階であれば、その参考情報としてご利用ください。 わたしは、Leica Lino(ベストの製品と思います)を使用してきましたが、様々なユーザー向けにわかりやすくお伝えします。
レーザー墨出し器の基本的な構造と使い方
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セルフレベリング
セルフレベリングでは、Lino本体の水平が保たれていなくても、線や点が必ず水平になるよう、振り子を使用します。(Linosの振り子は最大4°まで補正できます。)
本体を動かすなどして水準から外れた時には、レベリングの動作範囲内において、自動的に再レベリングします。 水準がその動作範囲から外れると、ほとんどの(Linosを含む)レーザーが問題を通知するために点滅を開始、電源がオフになることもあります。
水平を維持することは、セルフレベリング・レーザーツールの問題ではありません。 注意すべきことは、基準の高さの範囲内にレーザーラインが収まるようにすることです。 水平を維持することは、セルフレベリング・レーザーツールの問題ではありません。 注意すべきことは、基準の高さの範囲内にレーザーラインが収まるようにすることです。誰かがツールやスタッドに衝撃を与えた場合、水平であっても、別の高さで作業することになる可能性があります。一日に何度か基準値と比較チェックすることを推奨します。(DISTOを使用すると、短時間で平易に正確に行えます。)
参考: 安価な手動レーザー墨出し器を見かけることがあると思います。 これらのことが、セルフレベリングレーザーとの違いであり、マニュアルレベルは、手作業による水平化をする必要であり(一日に何度も水平をチェックしなければなりません)、その作業は、レーザーを配置する台にある水準器と調整ネジで行います。マニュアルレベリングレーザーは、多くの時間を要し、不注意にレベリングをずらしてしまっても、レーザービームが点滅したり、シャットダウンされないため、そのまま作業を続けると大きな問題が発生してしまいます。
Leica Lino L2G+ セルフレベリングを参照ください
振り子の固定
高精度のボールベアリングで支えられた、ミニチュアの振り子を考えてください。 レーザーエミッターは振り子に取り付けられており、振り子は常に重力のために真っ直ぐ垂れ下がります。 レーザーを当てると、振り子が揺れてすぐに水平に戻ります。それはレーザーラインにも反映されます。
しかし、傾斜線が必要な場合もあります(例えば、階段の手すり用のブラケットを設置したい場合など)。 そこで振り子ロックは、振り子が揺れないように固定します。 いったん振り子をロックしたら、レーザーを傾ければ投影されたラインも傾きます。レベリングが必要な時には、振り子のロックを外すことを忘れずに行います。
本体を誤って落としたり、運搬中に衝撃を受ける場合に備えて、使用していないときは振り子ロックをかけて本体を保護してください。
一日中の使用に耐えるだけの電力
ほとんどの自動レベリングレーザーは、アルカリ電池または充電式電池を採用しています。 市販されている最新の緑色レーザーは、赤色レーザーよりも明るく、より多くのバッテリ電力を消費します。(緑色レーザーの中には、連続稼働時間がたった数時間程度のものがあります。)
環境に配慮した充電式のオプションがあります。内蔵と外付けの両方があります。 内蔵バッテリーの場合は、「稼働中充電」できるものを選ぶようにしましょう。つまり、使いながら同時にバッテリーの充電ができるものです。
アルカリ電池をバックアップ出来る充電式オプションを推奨します。 ライカは、3通りの電源供給にこだわります。 充電式の単3型バッテリーもオプションとしてあります。
筐体とその機器のつくり
- その機器の周りに大きなゴムのバンパーがついていたら、果たして落としても大丈夫でしょうか?大丈夫かもしれないし、大丈夫じゃないかもしれません。 機器の設計が粗末だと、それがどんなにカッコよくても、ゴムぐらいでは守ることはできません。 レーザー機器の耐久性というのは、中の設計から始まるのです。 私たちはみな、安いのにはそれなりに理由があることを知っています。振り子ロックが付いたしっかりした機器を、精密測定機器として扱うほうが良いと思います。 芸術作品のように扱う必要はありませんが、酷使してはだめです。 そして、定期的にレベリングの精度をチェックすることです。やっておいて損はありません。
範囲と精度
ラインレベルの精度は、振り子に大きく依存します(だから、ロックして振り子を激しいショックから保護する必要があるのです)。精度は、一定の距離におけるレベリングのエラーによって記述されます。例えば5mで1.6mm、といった具合です。 範囲を倍の10mにすれば、エラーも倍の3.2mmになります。 逆に2.5mだとエラーも半分になるはずですが、でも時々、レーザーのラインそのものがその仕様上の精度より太くなってしまう事があります。 レーザーレベルの多くには、精度が15’で1/16"(5mで1.6mm)などと記されています。
問題は、安価なレーザー墨出し器は、対象物から3.8m離れた所で、レーザーの幅が6.3mmも発生することがある点です。販売メーカーにとっては、精度の善し悪しがあいまいになり好都合ですが... ラインレーザーは、明るく、クリアで、焦点が定まったものであることが、大切です。 良くできているレーザーは、電源を入れたらすぐわかります。
グリーンvs. 赤色レーザー
真のグリーンレーザーのダイオードは赤色のものよりも高価ですが、レーザーレベルを長時間使用するなら、その違いに感謝することでしょう。最新の直接発光のグリーンダイオード技術では、赤色レーザーよりもスペックルを抑えた明るい緑色のラインを発光させることができます。 その結果、クリアでシャープなレーザーラインを照射します。 グリーンの波長は、赤色レーザーよりも3倍から4倍視認性が高くなっています。 つまりグリーンのレーザーなら、一般的に赤色レーザーよりも遠い距離でも見えることを意味します。 遠くでも見えるということは、セットアップする手間が減ることであり、そしてセットアップする手間が減れば、より早く作業が終わります。
ファンアングル
これを視覚化する1つの方法として、あなたの腕を両側から伸ばして立っていることを想像してください。 右腕から左腕までが、180°のファン角度です。 壁に向かって立ったら、右腕から左腕までのすべてが、レーザー平面に相当します。
180°のファンアングルと十分な範囲の角にレーザーを置くと、部屋全体に水平な平面が出来ます。1か所に設置するだけで仕事が完結しますので、時間と費用を削減出来ます。 これは、作業をするために、1度設置するだけですので、時間、結果として、コスト削減に繋がります。
ビームの質
5mぐらいの距離から、壁に投影されたビームを観察してみてください。 鮮明で明るいラインが目印です。 低品質のレーザー機器のビームは、ぼやけていて、そして途切れ途切れに薄暗くなっていたり、ゴーストまたは平行線が見えたり、またはラインにデッドスポットがあったりします。 目視で確認することは、製品の品質を確信することにつながります。質の低いレーザーと良質のレーザーを並べれば、本当に高品質のレーザーエミッターがどちらなのか、違いを理解することが出来るでしょう。
IP54またはIP65
IPは、「Ingress Protection」の略です。つまり、防じん、防水のことです。 最初の番号(第一特性数字)は外来固形物の進入を表し、2番目の番号(第二特性数字)は有害な影響を伴う水の浸入についての等級です。数が大きい程、高い保護等級であることを示します。 あなたが日曜大工なら、IP40の使い捨てレーザーです(その代わり塵と水分に気をつけましょう)。自分の道具や仕事に誇りを持っているのなら、IP54、つまり防じん・防水ですね、それ以下は買わないようにしましょう。 IP54の器具は、埃っぽくなったり湿ったりします。
本格派の方はIP65、つまりミルスペック、またはそれ以上を選びましょう。 泥に落としても、ホースの水で洗い流せます。 IP65製品の多くは、3~6 フィート (90cm~1.8m) の耐落下性 にもなっています。
どんな道具やIP規格を選ぶにしても、一言アドバイス:絶対、絶対に濡れたままケースにしまってはいけません。
Linoのビデオではありませんが、LeicaのIP65トータルステーション(45,000USドルの製品)の耐久テストを受けている様子を撮影したビデオです。
購入後
最近、ラスベガスの店員さんと話をしたときに、レーザーレベルの使い方をどうやって教えているのか聞きました。 彼は首を傾げ、当惑した表情で私を見て、こう言いました。「箱を開けて、電池を入れて、オンにする。 教える事なんてないでしょ?」
ご購入のレーザー墨出し器を用いる際、あらかじめ保証登録されておくことを推奨しています 実際に物理的に国内に所在地がある信頼できるメーカーから、簡単な「交換」を行ってくれる保証もついた高品質の製品を買うようにしましょう。シンプルな「交換」プロセスで、かつ信頼できる製造元から高品質の製品を購入してください。 こういった機器の保証は、大体1年から3年です。 当然ながら、筐体がつぶれてしまっているものは、無料で交換はさせてくれません。 保証とは、通常使用による損傷や製造時の欠陥を対象にしています。
品質に関する事項
他の追従を許さないこと: ライカ ジオシステムズは測量機器メーカーです。 100年以上にわたり、プロフェッショナル用の測量機器を開発・製造し、レーザー技術を測定の課題を超える最前線に立ち続けます。 もちろん、電動工具メーカーなどが販売する信頼性の高いレーザー墨出し器もありますが、特に精度を重視する場合、正確さを重視する会社が設計・製造した製品であることを知っておくのは悪くないでしょう。