Disto

レーザー距離計(LDM)を買う前に検討するべき7つの質問

作成 Hugh Baertlein

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01/17/2019

Updated 4/10/2023: この記事は、90年代にDISTOをレーザー距離計の世界的リーダーへと成長させた人物によって書かれたものです。Hughは引退しましたが、彼のアドバイスは、安価な音波測定器についての警告以外は、これまでと同様に有効な意見です。最近はあまり見かけなくなりましたが、アメリカではグレーマーケットで販売されている工具を多く見かけますので、その部分を更新しました。    

1880年代に建てられた家があるのですが、わたしは多くの改築作業をしています。 ほとんど毎週末のように使う、地下室にいっぱい詰まった電動工具の山を使って、この家の隅から隅までを建て直しました。 今まで安価な工具をいかにたくさん買い、捨ててきたか、ある日、気が付いたのです。

わたしはエンジニアです。 ステレオタイプであることを自ら証明するようで嫌ですが、普段、十分に調査をした上でしか、物を買わないことにしています。でも、安価な工具をたくさん購入してしまったことは、明らかに調査不足であったことを認めざるを得ません。

現在は、多少高くても長持ちするものを買うようになりました。

わたしは、測定技術の分野で25年近く仕事をしてきました。そのうち12年は、レーザー距離計、つまりLDMに携わってきています。 私見として、どのLDMにするかを検討する際、次のことを自問自答するべきだと思います:

  1. 屋外で測定はするか?

    外で作業をするのなら、光学スコープやデジタルポイントファインダーは、必須です。

    スコープやポイントファインダーがないと、レーザーのポイントは明るい日でせいぜい10m程度までしか見えないでしょう。 外での測定だったら、10mで測定できないと仕事になりません。

    照準スコープ - つまり固定レンズのカメラについているレンジファインダーです - これが、屋外での問題に対処するために、わたしたちが最初に採用したテクノロジーです。これは初期のDISTOの頃の話ですが、実は現在でも光学スコープを搭載したLDMが市場に出回っているようです。

    Leica Geosystemsは、その後、4倍ズームのデジタルポイントファインダーテクノロジーに移行しました。これは、デジカメに搭載されているズーム機能と似ています。 LCDディスプレイのクロスへアは、レーザーと正確に調整されているので、照準を合わせれば、レーザーポイントの視認性に関わらず、必ず目的の位置にポイントがあると確信が持てます。

  2. 設計ソフトウェアを使っているか?

    もしあなたがスケッチを描いたり、またはAutodeskやChief Architectを使用しているのなら、現場で詳細な図面を作成できるモバイルアプリがあります。 たとえば、DISTO Planアプリは、あなたのモバイルデバイスで撮影した写真の上に測定値をオーバーレイすることができます。

    Bluetooth®対応のLDMなら、正確な測定値を測定する端からそういったアプリにリアルタイムで送信します。 インテリアデザイナーやビルディング・インフォメーション・モデリング技師、そして設計建築業務に携わる方々などから、正確な間取り図を作成する時間が、レーザー距離計とアプリで半分になったとの報告をいただいております。

    確かに、Bluetooth®対応LDMは高価な最高級機種であるかもしれません。 しかし、時は金なりです。最初から正確な測定値が得られて、なおかつ測定時間が半分なるのなら、$500または $800を投資しても、あっという間に、それ以上の仕事ができるのではないでしょうか?しかも未経験者向けのモデルなら、$150からBluetooth®対応LDMがあるのです。     わたしにとって、Bluetooth®は必須です。

  3. それは、他の測定器具の買い替えなのか?

    現在、巻尺やテープを使用しているなら、測定に一番時間のかかることや困難な作業を考えてみてください。その上で、それを解決できるような道具を選ぶようにします。  

    たとえば、忙しい建設現場などでは、点Aから点Bまでの水平距離を測定するのは、資材が積んであったり機材や人が間に入ったりで、困難なものです。

    チルトセンサー内蔵のLDMなら距離と角度を測定するため、ターゲットまでの水平距離を計算できます。 現場にあるパレット、行きかう人々、家具などを気にせず、必要な長さを測定することが出来ます。

    それなら、手にテープメジャーを持ったまま何かに登ったり、または昇降機を避けたりするよりは簡単、そして安全です。

  4. 毎週、測定業務にどの位の時間を費やすか?

    これはROIに関することです。測定するのに、テープを引きずったり脚立を運んだり、どの位の時間を使っているでしょうか?

    そのようなことをする必要がなくなりそして同時により正確な測定値が得られるとしたら、どうでしょう?その時間を、他のどんなことに使えるでしょうか?  

  5. グレーマーケット輸入品に注意ください。

    アメリカやカリフォルニアのAmazonやeBayでDISTOのお買い得品あるかもしれませんが、もしそれがあまりにも良いものであれば、それはおそらくそうでしょう。アジア市場向けのDISTOは、メートル単位に設定されており、インペリアル単位に切り替えられない場合があります。この背景には様々な歴史がありますが、簡単に説明すると、これは第二次世界大戦後の日本の法律で、日本ではインペリアル単位の計測機器を販売することは違法とされていることによるバタフライ効果なのです。

    (この法律の目的は、戦後の日本経済を近代化することであり、それを施行したのはアメリカである(アメリカは今日に至るまでメートル法を採用していない)というのは皮肉な話です。)

        

  6. レーザー距離計に必要な精度とは?

    信頼できるメーカーのものなら、精度はそれほど問題にはなりません。 ISO 16331-1(国際標準化機構)準拠のものを選びましょう。

    ISO認定のものは確かに若干高めになりますが、安価なLDMを購入、使用したために、1"短く切ってしまったことによるコストよりは、はるかに安いものになるでしょう。

  7. レーザー距離計に必要な精度とは?

    ここでも、ISO認定を求めましょう。 比較できるものが比較された結果だからです。 精度と範囲は、色々なものに影響されます。2大要因は周辺光とターゲットの色です。

    ISO認定のものなら、理想的好条件での最大値とかではなく、実際の使用環境における仕様が記載されています。