Archileaf Architectural Consultantsは、厳格なゾーニング規制や歴史的な目新しさのある建物であり、クライアントの時間、費用、困難の軽減を業務としています。
コロラド州デンバー市には、約170年にわたる街の進化と成長を象徴するユニークな建築物が並ぶ歴史的ランドマーク地区が数多く存在します。
しかし、これらの建物を改修、修復、増築しようとする場合、その計画はしばしば古く、不完全であったり、まったく存在しないこともあります。また、新築であっても、歴史的な隣人を尊重し保護するために、厳しいゾーニングの許容範囲内で作らなければなりません。
つまり、建物や土地の現況を正確に表現することが最も重要なのです。Archileaf Architectural Consultantsの代表であるCameron Kruger氏にとって、Leica BLK360で作成したデジタルツインは、それを実現するための最良の方法であったようです。
それを軸にビジネス全体を構築したほどです。
Kruger氏は、「素晴らしいツールだ。」とLeica Geosystemsに話ました。「わたしは、このツールについて人々と話すことにとても興奮しています。住宅のランドマーク的なものを多く手がけていますが、クライアントがどのような利点を見出すかは驚くべきことです。その結果、「これだ。この一件で、わたしのサービス全体が賄われたのです。」だから、使うことに反対することはできません。」
Kruger氏は、3Dレーザースキャナーを使用せず、as-built図面が作成されたある建築プロジェクトで、図面と実際の構造物の状態との間に劇的な食い違いがあったという事例を挙げました。
「彼らは、その図面をもとに建て始めましたが、何もかもがうまくいかず、何も並ばないという問題ばかりでした。」「そこで、わたしがスキャンしてみたところ、建物全体の幅が、設計図に描かれている幅より8インチも広いことがわかったのです!しかも、ここはランドマーク地区です。もし、建物の幅が8インチも広いとわかったら、ゾーニングコードに適合しなくなります。その結果、建物の設計をすべてやり直すことになるかもしれません。」
Kruger氏は、2017年にLeica BLK360 G1を使用したアズビルトスキャニングを開始し、クライアントへの主なデリバラブルは、Leica TruViewで使用するLGSファイルとAutodesk Revitで使用するRCPファイルになったと説明しています。
今年はそのユニットを新型Leica BLK360に買い替えました。
「新型BLK360は、個人事業主であるわたしのニッチビジネスにとてもフィットしています。」
以前は1回しかできなかったスキャン業務を、1日に3回の仕事を引き受けることが可能になりました。時間を短縮するために、最適な道具を使うことにとても興味があります。
また、点群データのプロジェクトでは、データやディテールをいかに多く取得できるかも大きなメリットであり、クライアントからの評価も高まっています。
「クライアントは、ファイルを後から見て、気づいていなかった詳細情報が必要なことに気づくことがあります。そのとき、わたしは「いや、その情報はあります。CADファイルには描かれていないだけです。その情報は提供できます。」と回答ができます。
点群データを提供することは、クライアントにとって有益であると同時に、Kruger氏は、3Dレーザースキャンテクノロジーの伝道師と言ってもいい存在になっています。
「わたしは、これらの企業をフォローアップし、点群データがもたらすすべての価値を本当に理解しているかどうかを知り必要があることを感じています。」と述べました。「先週は、一緒に仕事をしていたメインパートナーが退社した会社とミーティングをしたところです。まあ、2社の共栄企業とミーティングをした際、「なぜ、巻尺を使って、複数人で現場調査しているにも関わらず、この情報を得ることができないのだろう。」と思っていたからです。
「ミーティングが終わるころには、『よし、じゃあ、次のアズビルトはぜひ声をかけます。』と言ってもらえました。」
Mini Case Study: As-built 3D laser scanning identifies major errors on historic house renovation plans
Kruger氏は、典型的なランドマークプロジェクトと、この種の建設がもたらすユニークな課題、そしてBLK360によるレーザースキャンがどのような違いをもたらしたかについて、親切にも説明してくれました。Kruger氏の言葉を借りると、次のようになります。
このプロジェクトは、コロラド州デンバーにあるランドマークとして貢献している建造物の大規模な住宅改修でした。この住宅は以前にも大規模な改修が行われており、すべてを撤去してオリジナルの正面と側面のみを残す計画でした。ほとんど何も残らないので、設計者は完全なアズビルトは必要ないと判断しました。 設計者はフットプリントを測量し、天井高と構造体の奥行きを取って床から床までの高さを決定しました。それ以外には、設計中に元の構造に関する資料はなかったのです。
しかし、業者が作業を始めると、物事が正しく並ばなんでいないことがわかりました。築111年の住宅には、長年にわたる動きがあったのです。業者が解体作業を終えた後、設計者はわたしたちに残りの構造物の点群スキャンを依頼しました。その結果、設計者が気が付いていなかった問題も含め、複数の問題が明らかになりました。
ここでは、発見された問題点をいくつか紹介します。
Issue 1: Inaccurate floor-to-floor heights
建築図面には、床から床までの高さに11インチの誤差がありました。これは、建築家が最もコストの低い従業員を派遣し、巻尺で実測させたことが原因でした。彼らは天井の高さを測り、次に床根太の深さを測って床から床までの高さを決定しました。
この社員が気づかなかったことは、過去1世紀にわたる不同沈下により、構造体に大きな傾斜があることでした。元の床は家の片側で約11インチ沈下しており、以前の改装で床を水平にするためにデッキの上に合計11インチの構造物を追加してありました。その結果、建築家は予期せぬ頭上高や踊り場の問題を解決するために階段を設計し直すという追加業務をすることになり、クライアントや請負業者に細部への配慮のなさを感じさせてしまったのです。
このため、請負業者はフレームに関するすべての問題が解決するまでフレーム制作を待つため、建設に遅れが生じてしまったのです。この遅延は、最終的に建築家、請負業者、オーナーに時間と費用を負担さてしまいました。
Issue 2: Tilted walls
提案されたデザインは、暖炉、天井の羽目板、照明、本棚など、部屋の中心にある要素を非常に細かくパネル化するものでした。設計者の意図としては、元々あった多層レンガの壁に漆喰を塗り、その上にパネルを貼って部屋の幅を確保することでした。しかし、点群スキャンの結果、壁が大きく傾いていることが判明しました。
ある部屋では、壁が上から下へ3.5インチ傾いていました。壁の傾きによって、羽目板の角が曲がって見えていたのでしょう。そのため、壁を平らにするための胴縁が必要だと判断しました。片側を上げると、すべての中心が3インチずれてしまうので、フレーミング前にこのことを発見できたことは、暖炉や配管のフレーミングを間違わずに済んだことは大きな発見でした。このような影響は、トリミングが終わるまで気づかなかったかもしれません。
Issue 3: Foundation problems
新築の基礎工事で、業者が測量士に杭を打ちを依頼しました。しかし、基礎が出来上がった後、何かおかしいと思い、設計者に電話しました。
基礎のスキャンを行ったところ、すべての基礎が10インチ南にずれていることが判明しました。点群スキャンの結果、プロジェクトのドラフターが設計書で敷地を四角く囲み、測量士が基礎と敷地境界線の間の寸法を使用して基礎を杭打ちしたことがわかりました。
Issue 4: Roof slope
増築の意図は、既存の屋根勾配と軒高に合わせることでした。設計者は屋根を3/12の勾配で描いていました。点群データを使って、屋根の勾配が4/12であることが判明しました。
長い話になりましたが、現在、建築家は3Dレーザースキャンから生成された点群を使って、すべてのプロジェクトの現況を記録し、建設プロセス全体を通して、彼らの図面や施工をチェックし検証することができました。
免責事項: この記事はLeica BLK360 G1に関しての内容です。性能がアップしたBLK360の最新モデルについては、こちらを参照してください。